介護と両立させるために

● 介護を機に離職・転職する女性が急増

 少子化、高齢化の加速、核家族化により、多くの働き盛りの人が親の介護に直面する時代となりました。
 家族の介護や看護のために、1年間離職・転職した人の数は2007年で約14万5千人、さらに急激に増加しています。離職者の中で40代~50代の占める割合が、男性では4割、女性では6割に達しています。
 離職者数のうち82.3%が女性です。働く女性は、出産・育児、さらに介護と段階的の大きな負担を抱え、離職・転職せざるを得ない状況になってきています。

● 親の介護を機に地元へ転職

 離れて暮らす親に介護が必要になると、選択肢としては退職して地元に帰り、同居するという方法が考えられます。
 けれどもどちらにも家庭があり夫の職場、子供の進学など家族全体での転居が難しいこともあります。

 次に、同居しないで通いながら介護するという方法もあります。
 同県でも難しいですが、県外から通う遠距離介護は、身体的にも金銭的にも家族だけでは支えることが難しくなっていきます。

● 地元のデイケア・デイサービスを知る

 地元の介護サービスなどの仕組みを調べて上手に組み合わせて利用することが必要です。どのようなサービスがあるのか。どう組み合わせて利用するか。緊急時の対応をどうするかなど、ケアマネージャーとよく話し合って介護体制を整えます。

1 日常的な介護は、デイサービスなどを上手に利用して介護体制を整える
2 地元のケアマネージャーと連携を密に取る
3 離れていても親との心の距離を近く感じるコミュニケーションを工夫する

● 介護が必要になった時にまずすること

 専門家に相談し、介護サービスを上手に利用しながら「全体的なライフプランを描く」

1 地元のケアマネージャーに相談します
2 介護を支援する機関やそれらの利用方法について、介護の情報と知識などについて教えてもらいます
3 相談しながら、どのようなサービスを利用するかを決め、全体的なケアプランを立てます
4 自分自身や家族の役割について整理します
5 親と自分それぞれがどんな暮らしを望むのかをよく聞き取って、それぞれが継続していきたいプランを立てます。
6 長期的な資金をどのようにしていくか計画を立てます

 長く介護を続けていくために、利用できるサービスを組み込みながら、仕事・家庭・資金など、どのようにしていったらいいかについてよく話し合うことが必要です。
 介護者の意思も尊重することも大切ですし、自分たちの生活を守ることも大切です。
 専門家に相談して、長く続けられる介護プランを互いによく話し合いながら見つけましょう。

● 育児・介護休業法

 育児または介護を行う労働者が、家庭と仕事を両立できるように支援する制度です。
 それぞれの企業・団体で対応が異なりますので、ご自分の勤めている職場の介護制度をよく知っておくとよいでしょう。
 
【介護休業】
 介護のために仕事を休むことができる制度です。
 常時介護を必要とする状態ごとに1回、93日までの「介護休暇」を取ることができます。勤務時間を短縮したり、一日単位で取得したりすることができます。

【介護のための短時間勤務制度の設置】
 短時間勤務が可能です

【法定時間外労働の制限】
 夜勤や残業などに一定の制限を設ける制度です

【転勤の配慮】
 転勤に一定の配慮を求めることができます

【不利益取り扱いの禁止】
 制度を利用した従業員への不当な取扱いを禁じる制度です

● 安否確認サービス

 自治体や企業の安否確認サービスを利用すると、さりげなく安否確認をすることができます。
・湯沸しポットを利用すると安否メールが届く
・ガスの利用状況がメールで届く
・形態を充電するとメールが届く
 これらのサービスを利用すると、離れていても親の生活リズムを掴むことができます。

● 自治体の緊急通報サービス

 入浴時の転倒・事故、あるいは心筋梗塞や脳梗塞の発作、これらの緊急時に対応するための支援システムがあります。

 パーソナルデータや個人情報、持病や服用薬、かかりつけ医、緊急連絡などを記したカードを指定の場所に保管しておきます。
 そして、緊急事態が起きたとき、救急隊員や近所の方がそれを使って、迅速な救急対応ができるようにするためのサービスです(静岡県では「お守りS級セット」というそうです)。このような緊急時の対応が自治体で行われているかもしれません。

● ご近所で頼れる人とコミュニケーションをとっておく

 何かあった時に、すぐに駆けつけてくれる人達とコミュニケーションをとっておく必要があります。

・郷里の行政窓口
・地域の介護支援センターの相談員
・民生委員
・担当のケアマネージャー
・かかりつけ医
・近所の人

 地域の高齢者福祉施設関係の方、ボランティア、親の友人、隣人などと、郷里に帰った時には日頃からコミュニケーションをとっておくことが大切です。
 両親の友人知人の連絡先をメモし、ちょっとした時にご挨拶をしておくとよいでしょう。親が大切にしてきた人々とのつながりが、介護になってから頼れる大きなサポートとなります。

● 兄弟同士・親戚などとの連絡を密に

 介護が始まると、兄弟や親戚の間で協力し合い、役割を分担するとよいでしょう。誰か一人だけに負担がかからないように、通いのローテーションを組んだりして、お互いに連絡しあうことが大事になってきます。
 兄弟間なら、メールやブログなどで連絡し合ったり、両親の様子などを報告し合ったりすると、あまり負担を感じずに手軽に情報交換ができます。

 地域ごとに利用できるサービスが異なりますので、行政サービスを上手に利用して、長く介護を続けられるように工夫していきましょう。兄弟間や親戚、両親の既知とのコミュニケーションを大事にして、自分にできることを探っていきましょう。

● 転勤・転職し介護環境を整える

 度々何かあれば郷里に帰らなければならない状況の中、「介護休暇」を利用したとしても、何年間も介護しなければならない場合は難しくなってきます。
 郷里に帰って地元で職を探すという方法もありますが、夫の勤務先で同時に転勤できなければ困難でしょう。
 そのような場合は、看護師就職支援会社のコンサルタントに相談してみましょう。自分の状況や、親の介護度などを伝え、どのようにしたらいいか相談に乗ってくれると思います。
 遠隔地へ転勤し、就職する際にも、介護をしながら少しでも収入が得られる方法を一緒に探してくれると思います。
 また、親を自分のところに呼んで、老人ホームに入れる場合も、老人ホームに隣接・併設している病院や、24時間預かってくれるところなど、様々な情報を提供してくれます。
 親に何かあれば、動揺してしまいます。経験豊富で、情報を得られる就職支援サービスを有効利用してみてください。

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★My介護の広場

 介護を始めるにあたり、知りたいことがぎっしりと詰まったサイトです。
 介護投球ごとの介護サービスのプラン内容、金額、自宅改装など、知りたいことがなんでもわかります。
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★介護による離職・転職者が増えている
⇒ http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h002/0145.html

★遠距離介護のコツ
⇒ http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h002/0111.html

★介護者を支援する機関
NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジン
⇒ http://www12.ocn.ne.jp/~arajin/

★ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
wiwiw,lnc
⇒ https://www.wiwiw.com/

★NPO法人パオッコ「離れて暮らす親のケアを考える会」
⇒ http://paokko.org/

★各県の介護サービス
⇒ http://www.kaigokensaku.jp/

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